先日、とある案件で消防署に協議におもむいた。
これまでに、消防署には何度も足を運んだ。
消防署も命を預かる部署である以上、厳格な指導を行っている。
それはわかる。しかし、けっこう、消防設備はごつくて、デザインされていない実利重視の機器がおおく、
外観をそこねるケースも多々ある。
もっと、こういった機器メーカーがデザイン性を重視してくれたらなあ、と思う。
深沢さんくらいに消防庁が委託して、安全かつ洗練されたプロダクトをつくってほしい、と思う。

ちなみに、グッドデザイン賞の審査委員長でもある深沢さん、受賞パーティーでかなり近くで目撃した。
やさしい雰囲気の人だった。はなしかけれずじまいだったが。

さて、スタッフや設備設計、設備業者さんが、再三協議にいって、ダメだしをくらっていた、協議内容。
もういちど、最後の協議にむかうべく、決死の覚悟で乗り込んだ私。

消防署では、全員、かっこいい制服に身をまとった人であふれかえっている。
私の決死のただならぬ雰囲気がつたわったのだろうか、打ち合わせフロアまで、丁寧に案内していただき、協議開始。ものごとの背景から熱く説明すると、なんと、すんなりオッケーをいただいた。
ああ、真剣に協議すると、道はひらける。そうおもった。

これまでにも、ややこしい協議をいくつもへてきた。
私がダイレクトに乗り込むと、だいたい、良い方向になる事が多い。
私が出向かなければ、実現しなかったようなケースも多い。
行政の担当者から、いい指摘をしてくれました、と、感謝される場合もある。

決してごり押ししているわけではない。
調整者だ。
いろんな指導機関の指導をふまえ、施工の問題までふくめて、一番皆がよろこぶ着地点を見いだす。
建築家はほぼ皆、こういったパワーネゴシエーターが多い。

わずか、10分の協議だったが、大きな仕事をなしとげた瞬間だった。

帰り着いて、メーカー打ち合わせ二件をおえて、ああ、今日はいい仕事ができたなあ、と、自己満足の日だった。