新規のとあるスタジオの内装デザインの計画のため、テナント管理者に連絡をとり、現状調査に向かう。
店舗の内装デザインはこれまでにいくつもやってきた。
イタリアンレストラン、ヘアーサロン、美容クリニック、居酒屋、フォトスタジオ、結婚式場ウェイティングルーム、ケーキショップ。
いわゆるリフォームの範疇にあたる仕事であり、いくぶんデコラティブな仕事でもある。
いわば、劇的なビフォーアフターが求められるものでもある。

たとえば、都町につくったリストランテミニーニャ。JCDデザインアワードを受賞するくらいの空間をつくりえた。

こういった店舗内装の場合、予算がかぎられてくるケースが多い。店舗の賃料があるうえに、改装費用、運営の準備費用、什器備品の費用などが必要だ。500万とかのケースが多い。多くても1000万円くらいが上限となる。でなければ、もう、新築したほうがいいのでは、というケースもある。

しかし、新築の場合、銀行融資の問題と、撤退のリスクがあがってしまう事になる。
後継者のメドがあれば、もう新築しようか、という判断もあるとおもうが、撤退や移転がしやすいようにしておくという判断もあるし、一旦開業して、実績をつみ、銀行の信用を得て、自前の店舗にステップアップする、という方法もある。

つまり、改装費用はそこらへんのさじ加減によって、自動的に決まって来るのだと思う。
1000万くらいの改装費用だとすれば、我々建築家の介入する余地も出てくる。

いかにコストパフォーマンスをあげていくのか。
そこに手腕がとわれてくるのだ。

現況調査は当然ながら最重要で、いかに、既存の設備を活用できるか、という部分が大きい。

入ったばかりのスタッフをひきつれて現調におもむく。
不動産管理の気持ちのいいやさしそうなおじさんが迎えてくれた。
いろいろと、質問するが、さほどややこしい状況はない。

スタッフは、すでに、現況図のベース図面を作成して、それを筆記ボードにはりつけて、各部の寸法をはかり、記載している。入社初日にもかかわらず、あたかも、これまでずっと一緒に仕事してきたかのように、そつなくこなしてくれた。

いろいろ話していると、不動産のおじさんが、感覚的に感じたのだろう。
ああ、これまで、いろんな人がこの物件を見に来たが、あなたでよかった、と。
クライアントの方はよっぽど運がいいのですね、と。
理由はわからないが、初対面でおおきな信頼を得たようにおもう。
今後は鍵をあずけますから、好きにしていいですよ、と。

スピリチュアルな分野にはいくぶん関心もあるが、これまで、いろんな場面において、ああ、あなたはいい運気を持っているから、といわれるケースが多い。
以前、とあるクライアントがとある霊的な人に新築のお伺いをたてたらしく、その答えを聴かせていただいたところ、その霊的な人に舞い降りた神らしき存在が、この建築家は非常に良い、とお墨付きをくれたそうだ。
ほんとかどうかはわからないが、そういった話がけっこうある。
ちいさい頃から、君の御両親はいい人だろうね、と、いわれる事が多かった。
両親の私の育て方だろう。人当たり良く育てられたように思う。
40歳を超えて、両親に深く感謝するようになった。
今、尊敬するひとは?と問われると、迷いなく、両親です。そう答える事ができる。

今回のプロジェクトがうまく進めば、また、いろんな良き出会いが待っているような予感がある。