天珠もしくはジービーズと呼ばれている石がある。
チベット発祥の装飾具。石に薬草のエキスで文様を描き、焼成させたものだ。
詳細はみなさん、ネットで調べてほしい。

一説によると、台湾での航空機事故の生存者4名が皆この天珠をつけていたところから、台湾でブームがおきたのが発祥という。古来からつくられたものは、家宝として代々うけつがれているくらいに価値のあるものらしく、古いものを「老天珠」と呼ぶらしい。
古い物はもう、アンティーク宝石の部類に入り、16億の値段がついたものもあるという。

ちまたにあふれているものは、新たに現代の技法で製造されたものだ。
安いものであれば数百円からある。
いくぶん古い物は、ひとつとして同じ物がないので、それぞれに、それなりの値段で売られている。
古くて珍しいものほど高い。骨董品のようなものだ。

私がその存在を知ったのはここ数年であり、偶然、沖縄のちいさなパワーストーンショップでみかけたのがはじまりだった。きれいな、実に建築図像的な文様の美しさにみせられる。店員さんからいろいろ聞くが、店員さんもネットに出回っているものをプリントアウトしているくらいだったので、調べてみる。
なるほど、ひとつひとつの文様には意味がある事がわかった。

はまりはじめると怖いなとおもいつつも、まずは、一つ入手した。
台湾人のオーナーが経営している店であり、ネットで出回っているものよりもグレードのいいものが、安く販売されていた。以来、沖縄に出張するたびに、この店に立ち寄り、ひとつづつコレクションをふやしてきた。
いま、7〜8個というところだ。ブレスレットのようにしたり、ペンダントにしたり、指輪形状のものもある。

パワーストーンと呼ばれている物はたくさんある。タイガーアイなどは良くお目にかかる。
数珠のようにして身につけている人もいるが、どうも、柄が悪そうに見えてしかたがない。
天珠の場合、柄の悪さは感じられない。やはり、文様の力なのだろう。

そして、はまっていくのが、文様のルールと形式があるていど合理性があり、込められた意味合いによって、コレクションしたくなるところだろう。

一眼から九眼と丸い目の形の数によって意味合いがあるのだ。私の場合、9眼、7眼、5眼、2眼、竜眼という具合に増えていっている。やはり、全種類のコンプリートが楽しくなってくる。
目の数だけでなく、蓮の花の文様やら、卍など、けっこうな種類があるらしい。私もまだ完全には把握していない。

文様というのは不思議なもので、私が面白いとおもったのは、桂離宮にひふみ石というものがある。
一眼、二眼、三眼のくみあわせで、舗装面を彩っているのだ。
スカルパが来日したときに桂離宮をみたかどうかは知らないが、スカルパもひふみ石のように、特注タイルをつくり床面にはりめぐらしている。古今東西、そういうものが存在している。
数にも命があるとする説で、最近でもナンバーの描かれたシリコンバンドなどが発売されている。健康器具の一種だろうか。自分の生年月日などから番号を割り出す方式ではなかったかと思う。

なんのことはない、古代から続くものであり、日本でいえば、勾玉などになってくるのだろう。

天珠を身につけたところで、飛行機が墜落しても生き残れるという保証はない。信じるも信じないもあなたしだいではあるが、一種のゲンかつぎのような感覚で身につけている。

文様を見ると、美しい平面図のように見えてしまうのは建築家の職業病であるかもしれない。

皆さんも、なにかの記念にひとつづつコレクションしてみては?と思う。
古さにこだわらなければさほどお金もかからないから。
集めるに値する伝統と理論がある。そのように思います。