女子モーグルの上村愛子さんの健闘を見た。
私が見始めたのが順決勝くらいからだった。
順々決勝の結果が9位。12人中9位だから、最初の方のスタート。
点数の低い順に滑走するのだから、上村さんが滑った段階で1位になる。それは、まあ、順当な事だ。
そこから、どんどん順位が下がってくる。ああ、決勝に進むのは難しいなあ、と私などは思う。
しかし、上位の人が調子をくずし、ギリギリ、決勝に残る。
日本のファンの願いが通じたに違いないと思った。

そして、決勝戦、もちろん、一番最下位だから、一番にすべる。
ここで、最高タイムをたたき出す。

つぎつぎと抜かれていくとおもいきや、ぐっと3位をキープする。
最後の選手の結果如何にかかわる。

もう、ハラハラドキドキ。
最後の選手、バランスをくずしたりしたので、これは、と、かたずを飲んだ。
勝負はなにがあるのかわからない。

結果として、メダルならずに終わった。

いま、ちまたでは、アメリカの審査員が自国の選手に有利な採点をしたと騒がれ始めている。
ターンの正確ぶりとスピードは、上村さんがトップ。それなのに。
そういった感情がわくのも無理もない。
上村さんにはメダルを取って欲しい。そのような願いがある。

とはいえ、本人の満足した表情に救われた。
悔いのない競技人生を達成した。
メダルがないとはいえ、五輪ではなく、世界選手権などではメダルをもらっているし、なによりも、1998年からの16年間、世界のトップクラスに入り続けているという事は、並大抵ではない。
彼女は自分との戦いに勝利した。それでいいと思う。
間違いなく、20年に一人の逸材であるという事は証明されているし、第2の上村さんが出てこなければ、50年に一人の逸材といってもいいだろう。

同じく、葛西選手。41歳で世界のトップにいつづけているという事もすごい。
レジェンドと呼ばれるのもわかる。

アスリート達の引退の難しさは至難の技だろうと思う。
自分自身で限界を見極めねばならないし、結果だけしか問われない。
過去に大きな功績を残した人ほど、ハードルが上がる。
もはや、自分との戦いとなる。

千代の富士の引退が印象深い。世代交代の幕をこじあけたのが貴花田。
潮時を考え始めていた千代の富士に、すっきりと決意をさせてくれた。

羽生君のあこがれだった、皇帝プルシェンコ。
羽生君の四回転ジャンプを見て、すっきりと引退するのではないかと思う。
そういったすがすがしいものだろうと思う。
男子フィギュア個人戦、プルシェンコ「金」、羽生君「銀」。
そして、プルシェンコ引退。それが、もっとも美しい終わり方だと思う。プルシェンコに花をもたせる。
それくらいでいいと思う。
これからは羽生君の時代がはじまるのは間違いないからだ。

そして、また、羽生君をおびやかす若い才能が噴出してくる。そういった繰り返し。
それがあってこそ、人は進化していけるのだ。
羽生君にあこがれてフィギュアの道に進む若い才能がどっと増えるに違いない。

ついでにいえば、高橋さん、彼も、ここまで日本フィギュアを牽引してきた。
最後に「銅」メダルをとってほしいと思う。

スポーツ。そして五輪。
世界選手権などよりも国民の期待が集まる。プレッシャーも大きいだろう。
メディアはさんざん煽る。国民も五輪の時だけ、にわか監督になったかのように好き勝手な事をいう。
私もその一人だ。

五輪とは不思議なものだなあとおもう。